北海道透析療法学会は、1970年(昭和45年)に北海道人工透析研究会として発足して以来、年1-2回の学術集会開催を重ね現在に至っております。透析療法が普及するきっかけともなった厚生医療の支給認定が1972年であり、東京透析懇談会、大阪透析研究会の発足がともに1974年であることを考えると、透析療法の発展のためいち早く研究会を立ち上げられた草創期の諸先輩の慧眼には感服するばかりです。
透析医療は医師、看護師、臨床工学技士、薬剤師、栄養士、理学・作業療法士、社会・保健福祉士、事務、関連企業(製薬・機器製造)、福祉施設、電気・水道事業、行政、その他非常に幅広い分野の人々の協力のもとに成り立っております。各分野における日々の進歩を共有し、より良い医療をいち早く提供できるよう努めるために、年2回の学術集会の充実は重要と思われます。会員の皆様には、これまで同様ご協力を賜れますようお願い申しあげます。
また、地震活動期にあるとも言われる現在の日本では、災害への備えも必須となります。かつての東日本大震災の際には、当時の大平整爾日本透析医会理事、戸澤修平札幌市透析医会会長および久木田和丘北海道透析療法学会会長のご活躍により、全国に先駆け気仙沼で被災された透析患者を速やかに受け入れることができました。私たちは今後も日本透析医会と力を合わせ、自らの被災に備えるとともに、被災者受け入れ態勢の整備も心掛ける必要があると思われます。
このたび伊丹儀友会長の後を受け、不肖私が会長を務めさせていただくこととなりました。重責に身の引き締まる思いでおります。全力を尽くす所存ではございますが、ご存じのとおりまだまだ未熟者でございますので、何卒皆様のご指導ご鞭撻を賜れますよう、伏してお願い申し上げます。
平成二十九年六月吉日
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